大判例

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東京高等裁判所 平成5年(ラ)179号 決定

民事執行規則四九条によって準用される同規則四二条によれば、期間入札において最高の価額で買受けの申出をした入札人が二人以上あるときは、執行官は、これらの者に更に追加入札をさせ、その入札価額により、また、これらの者の全員が入札しないときなどにはくじにより最高価買受申出人を定めることとされているが、民事執行手続の迅速性を図るという観点からは、右の追加入札は、開札期日において直ちに期日入札の方法に準じて実施すべきであり、更に入札の期日あるいは期間を定め、これを関係人に通知するなどして行うべきものではないと解される。その結果、開札期日に出頭しなかった買受申出人は、追加入札に参加できないことになるけれども、適式な通知・公告により開札期日に出頭する機会を与えられながらその権利を行使しなかった者に対して、執行手続の迅速性を害してまで、更に追加入札に参加すべき機会を与える必要はない。そこで、同規則四二条二項前段所定の「前項の入札人の全員が入札をしないとき」には、最高価で買受けの申出をした者が開札期日に出頭しており、追加入札が行われることを知りながら入札しなかった場合だけでなく、開札期日に出頭していなかったために追加入札が行われることを知らず、これに参加できなかった場合をも含むというべきである。

そして、確かに抗告人の主張するように機会を改めて追加入札を実施すれば、当初の買受申出価額より高額な入札がなされる可能性がないわけではないが、民事執行規則は、追加入札に際して最高の価額で買受けの申出をした入札人が二人以上あるときも、再度の追加入札を行うことなく、くじにより最高価買受申出人を定めるものとしており(同規則四二条二項後段)、必ずしも入札価額を高くするための方途を可能な限り講ずべきものとはしておらず、むしろ手続の迅速性を優先させていると考えられることに照らせば、当該開札期日において直ちに最高価買受申出人の決定を図ることの方が同規則の趣旨に合致しているということができる。

右に考察したところに基づいて本件を検討すれば、原裁判所の執行官は、期間入札において最高価の買受申出をした抗告人及び東新ハウジングがいずれも開札期日に出頭していなかったことから、右両名に追加入札させることができないとしてくじにより最高価買受申出人を決定したのであるから、その処置は何ら民事執行規則に違背しているものではない。

(新村 齋藤 原)

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